〔展示〕
2013年5月17日(金)~5月22日(水)
12:00~20:00(※最終日~17:00) ※木曜日休廊
「Like A Forest」
定行美希
スペースM、S、E
〔概要〕
私はなんだか、生活の中にある小さなものが自分に語りかけてくるようなとき、
いい瞬間だな、と思って嬉しくなる。
春になったから虫が出てきましたね、っていう当たり前のことから、
理由はわからないけれどやたらに月が金属質な光を放ってる夜の、
見慣れない空の違いを謎解きさせられることとか、
四季というか時間というか、
それだけに収まらないなにかしらのうつろいが日常の一片として組み込まれていることに希望を感じている。
それは私の中の森の概念と一致していて、
多くの生き物がそれぞれの時間の長さでおかまいなく生きていて、
でも大きな集合体として調和してみせるような、森。
なにかしらの用事や縁があってその場を共にしている人やモノ。
植物の葉が、右に左に首を傾げているその様だったり、
夏のカリカリに焼けたアスファルトの上を眩しそうに歩いている、
そこですれ違った誰かがいたってことでもいいし、
そういう時間がある場で切りとられた瞬間を、
映像として記憶が脳に張り付くように、いろんな色や形や線をキャンバスの上に集めてみたい。
それは記憶をたどることだったり、
今と過去が入り交じって連鎖して引き出されるものでもいい。
私にとってものを見て形をおいかけて色を置いていく行為は、
そうした日常のいろんなものに手を添えるような、何かの確認だったり、うなずきだったりする。
そうした何かの集合体として絡み合ったものが、ただ、あってもいいっていう、
どうしようもない強い存在の肯定を、色んなものの中に見つけたいって思ってる。
そんなこと、作品に込められたらいいなと思っている。