眼窩の箱庭

〔展示〕
2022年7月8日（金）～13日（水）
12:00～20:00（水曜日～17:00） ※木曜日休廊
「眼窩の箱庭」
村沢夏野
スペースM、S、E

〔概要〕
　一人っ子で共働きの両親を持った私が、絵を描く以前に覚えた遊びが「箱庭作り」である。幼少時の箱庭は、指人形や積み木などを素材に作られていた。当時の私は、アスレチックのような箱庭の中でキャラクターが遊んだり、戦ったりする姿を妄想して楽しんでいたことをうっすらと憶えている。昔描いた絵はいまでも残っているが、箱庭は遊びが終れば片付けられてしまうため、残っているのは自身の記憶だけだ。

「眼窩の箱庭」は２９歳になった私が作る箱庭である。当時の箱庭との大きな違いは、絵画の存在だ。過去の箱庭遊びが私の頭の中で完結していたのに対して、展示されている絵画は日々の生活の中で目にした人々や出来事がモチーフになっている。これらは、箱庭の壁に開けられた「窓」としての役割を持つと考えている。絵画と配置されたフィギュアが箱庭の中と窓の外とでやり取りを生み出し、生きた空間が生まれることを目指した。　

しかし難しい話は置いておき、まずは三十路手前の男が作った箱庭を楽しんでほしいと思う。　

結局のところ、箱庭は遊ぶために作られたものなのだから。